2007年11月27日火曜日

テレビはCM枠が売れればいいのだ

テレビ信用したらバカ見るのね

2007年1月に、「発掘!あるある大事典2」(フジテレビ/関西テレビ)の「納豆ダイエット」でねつ造疑惑が発覚した。「あるある」は視聴率15%前後、いいときは20%近くも取っていたテレビ局にとってはありがたい番組だったのにだ。

「いったいアメリカ人が納豆食べる実験なんてやるのかね」と思って裏を探ったらねつ造にブチ当たった週刊朝日によると、ダイエット効果の発見者として番組に出てきた「テンプル大アーサー・ショーツ教授」てのは実際にはいなくて、ホントの研究はワシントン大学のシュワルツ教授のグループがやってたということだった。日本語訳されたテロップの内容を聞かされたシュワルツ教授は「そんなことはいっていない。やっていない」と否定するうえに、そもそもシュワルツ教授のグループのポリアミンの研究は65歳以上の人の腹部に関するものなんだけど、番組でやせたと出されたのは顔写真。しかも教授は、番組に協力していない、写真も提供していないなど疑惑が相次いで、週刊朝日の記者によると、インターネットの検索と電話確認などの3〜4日の取材で全部ばれるほどの情けないねつ造で、叩くとホコリがでるどころか叩いても叩いてもホコリしかなくて中身がなかった状態だったらしい。

初めは言い逃れでかわそうとした関西テレビだけど、ネズミが眠る「レタス快眠」、米国で大ブーム「味噌汁ダイエット」、「ワサビで10才若返る!」、レモンの「正月太り解消? 食べても太らない新理論」、二重あご解消の「10日間で変わる!顔ヤセの科学」、「小豆あんこで頭が活性化」などで取材が進むにつれて次々と疑惑がウズを巻きだした。
そして最終的に「外部識者による調査委員会」がから10件のねつ造と、6件の灰色番組が報告された。民放で1,2を争う大スポンサーで「あるある」の単独スポンサーだった花王は番組から降りて、その後、関西テレビは日本民間放送連盟から除名処分になっちまったのだ。

でも、テレビ業界の騒動はこれで終わらず、さらにつぎつぎと問題が報道された。
不二家の報道では「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS)が、元社員の発言の裏付けを取らず「賞味期限切れのチョコレートを溶かして、ミルク混ぜて再出荷していた」と放送したので、不二家は「チョコレートにミルク混ぜれば商品にならん!こんなすぐバレるウソなんでつく!」とカンカンに怒った。でもTBSは勝手にねつ造したウソがバレても結局放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会から問題だと言われるまで知らんぷりだった。しかも総務省からも厳重注意のだめ押しもついた。続いて「ごめんの一言もいえば我々もこんなに追求しないのに」の迷言で有名な昼の情報番組「ピンポン!」(TBS)が、関東アマチュア選手権で試合中の石川遼選手の声を取ろうとして同じ組の選手のゴルフバッグにマイクを付けようとしたり、同じ試合で「イブニング5」(TBS)が試合中にコース上空にヘリを無断で飛ばしたりで問題でっぱなしだ。

昔も「教えて!ウルトラ実験隊」(テレビ東京)のねつ造事件や、みのもんたの「愛する二人 別れる二人」(フジ)のやらせケンカがバレて番組打ち切りがあったのに、本当にテレビ業界は懲りていない。あげくの果てにTBSは不二家報道で不二家側に全然謝罪しない。これで、人は責めても自分のことは知らんぷりで、「ごめん」の一言も言えないテレビ局の往生際の悪い体質が視聴者に暴露されちまったのだ。

和歌山カレー事件、秋田小1殺害事件、朝青龍問題など、テレビは責めやすい事件を見つけると何週間も連日報道する。その事件にたかる姿は、喰えるだけ食いつくし次の事件が起きればそちらに大挙してどっと飛びつくいなごのように見える。常識は無視してでも「テレビが通るぞ!ひかえい〜ぃ!」と傲慢に押し進めるのは、視聴率アップのためなら世間様には関係なく、とにかく一番の商品のCM枠を売るためなのだ。
でも、それもこれも世間が狭いから話題にこと欠いて、昼ご飯食べながらボーッとテレビ見て「ねえ、ねえ、知ってる?」と話したがる連中がいるからこそ成り立っているのだ。

そういうたぐいの番組は、結論を先に決めていてそれに向かって一方的な決めつけで煽って裁こうする。普通の人間ならこういのは何やってるか分かるから、見ていて全然気持ちの良いものではない。しつこく繰り返される偏執ぶりは「おまえらストーカーじゃないか」と思える。声を出さなくても視聴者は辟易しているのだ。「こんな番組に金を出すスポンサーの品物なんか誰が買うか」と思っているのをテレビ局は知らない。
でも「テレビはいい加減で信用できないなぁ」ということを子どもにまで浸透させているのはある意味健全だ。
テレビはラクーンシティの中にいておまけにアンデッドが増えているのに気づいていない。人間は逃げ出しはじめているというのに。ラクーンシティの外じゃ人間はWiiでユーチューブを見るのだ。

次はこういうテレビがどんなに稼いでいるかだ。期待して待つのだ。
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2007年11月23日金曜日

日本のテレビはまだましかも アメリカなんかサバイバル

「日本はまだいいよ、うちなんか」というアメリカは

アメリカじゃぁ動画ってのは見られているんだけど、テレビだけじゃぁなくなってきたんだって。
動画といえばYouTubeと思った人はピンポンです。でも全員正解だったりして。
アメリカのテレビ業界はYouTubeをとっても意識しているらしい。なぜかというとテレビが一番みてもらいたいと思っている若者が、テレビ見る時間を減らしてYouTubeを見始めてるからなのです。

どのくらい減らしてるのかという減らし加減を調べた会社があって。これがその調査結果。英語だからよくわかんないけどこことか見てカンを働かせると、
 ・18歳以上の2309人の成人に聞きました。
 ・成人の42%がYouTubeで動画見てて 足げにYouTube見るのが14%
 ・YouTube見てる 66%は、ほかのことを犠牲にしてYouTubeを見てる
 ・YuoTube見るようになって、他のサイトを見るの減らしたが 36%
 ・YuoTube見るようになって、テレビを見る時間を減らしたが 32%
 ・YuoTube見るようになって、メールチェックやSNS減らしたが 20%
 ・YuoTube見るようになって、仕事や宿題を減らしたが 19%
 ・YuoTube見るようになって、ゲームを減らしたが 15%
 ・YuoTube見るようになって、DVD見るの減らしたが 12%
 ・YuoTube見るようになって、友人や家族と過ごす時間減らしたが12%
となるみたい。

一つわからないのは、成人てのはアメリカじゃ二十歳じゃないよね。十八なのかな。この答えみると、どうもYouTubeは 中毒みたいになってるようで、気がつくと YouTube見てるみたいな姿を想像しちゃう。仕事の合間に気がつくとニュースサイト見てるっていう人がいるけどそんなののひどい状態かも。
日本はYouTubeっていうとテレビ番組見るのが多いけど、アメリカじゃ素人がとった面白い動画を探して見るのが人気らしい。でも探す時間で食われそう。なんかコツがあるんだろうね。

それでもってアメリカのテレビとテレビの広告屋さんが一番心配してるのは、
  ・18歳から24歳の男性の76%以上がYouTubeを見ていて、
  ・そのうちの41%が常連だ
っていうことらしい。
なんでかというと、その連中をテレビとしては一番のカモだと考えているからだということです。
それを YouTubeに取られた日にゃぁ、あーた、スポンサーになんといったらいいのでしょう。いや何もいえませんですよ。そりゃそうだよね。「若者に人気の」とか「若者が飛びつく」なんてのをテレビで作れなくなっちゃうんだから。
流行が作れなきゃ「赤丸急上昇で売り上げばく進中」なんての起きないし。

でも三丁目の夕日に出てくるプロレスや月光仮面じゃあるまいし、今どきテレビで流行が起きるなんてあるのかな。あの頃はきっとテレビしっかり見て自慢できるのがステータスだったんだよね、だからそれ真似すれば格好よかったんだと思うけど。いまのテレビじゃちょこっとくらいは売れるかもしれないけど、仕掛け見え見えなんての気持ち悪くって。もっと最悪なのはそんなの使っちゃうことだよね。
だいたいいいものや面白いものなんてネットで見つかるんだから。誰かが使ってるのみて「あれいいな」と思ったら検索すればわかるじゃん。そうすればそれ系のすぐ出てくるし、ちょっと違った自分的の探すなんてコンビニで買い物するより簡単だよね。

面白いのは、この調査で YouTubeをよく利用するユーザの73%が、
動画の前に広告が流されるようになれば、
  ・YouTubeを見る回数をかなり減らす(31%)
  ・YouTubeを見る回数を多少減らす(42%)
というのもあるようで、これじゃ YouTubeだってコマーシャル流せないじゃないの。

結局コマーシャルってのはみんなの嫌われ者ってことね。
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2007年11月22日木曜日

テレビにも悩みがあるみたい ひょっとしたら死活問題

おいらテレビ屋だから一番エライのね

いままでずっと増えに増え続けていたテレビ、新聞、雑誌、ラジオ(マスコミ四媒体、四マスというらしい)の広告の費用は、去年(2006年)頭打ちになっちまったのです。テレビなんて250億円--(多すぎて想像つかないけど--も前の年より下がったというじゃないの。今年の分はどうなのか今からドキドキしてしまうのです。

2年続けて下がれば「テレビの時代は終わったのかなぁ」「みんな使わなくなってるってことかなぁ」「テレビCMだすのやめとこう。これからはインターネットで広告だね」「テレビもう役立たずじゃん」「テレビの株なんか売っちゃおう」となって、亀田絡みのプロデューサーが六本木で一晩50万円も使うのやアゴアシ付きの大名旅行なんかできなくなってしまうからです。
テレビ局の人たちは年収1500万円くらい(40歳位の平均)でお金には不自由してないみたいだけど、会社の金を自由に使って羽振りいいとこ見せられなくなるのが一番嫌みたい。

四マスのお金は頭打ちなんだけど新参者のインターネットだけは800億円以上も増えてる。(5000万円の家1600軒分ね)1996年には16億円だったのがあっという間のできごとで、まさに伸び盛りじゃありませんか。(数字面倒くさいから表みて)


四マスの広告費が伸び悩んでるのにインターネットの広告費だけは30%も増えて、なんとラジオの宣伝で使う広告費の2倍以上の3630億円になったというから驚いちまいます。ラジオを3年前に追い抜いて、今年は雑誌の広告の費用を抜いちゃうかという勢いです。(費用の数字は 「電通 日本の広告費」ね)

いつまでもデカイと思うなテレビとメタボ腹

テレビの心配はまだまだあって、それはインターネット使う人が増える分テレビ見る人が減ってるっていうことなのです。

インプレス---インターネットマガジン出してる会社---の「インターネット白書2007」にあったけど、10人に4人はインターネットやるためにテレビの時間を減らしていて、ADSLや光のブロードバンド使う人が増えると、その分テレビ見る人が減るという流れになっているらしい。

ちょっと前だけど似たような調査を野村総研というとこがしてて、「テレビのコマーシャルが役に立たなくなってきた。インターネットはテレビ離れと関係がある」といったら、テレビと広告代理店関係から「取り消せ」だの「間違いだったといえ」だので騒ぎになって、野村総研の人が「いーやぁ、バンバン電話かかってきて。テレビの人はえらく気にしてますねぇ。いつもは反応なんかないんだけど」みたいなことをいっていた。

その「企業の広告・宣伝手法は、マスメディアから個別対応のITメディアへ 」という調査の中身はというと、HDDレコーダー使ってる人は録画しといた番組をざーっとまとめて見るんだけど、10人のうち8人はコマーシャルをスキッブさせちゃうから、テレビにコマーシャル出しても前ほど役に立たないというのと、3人に一人がインターネットやるためにテレビ見る時間を減らしてるっていう話。

テレビ見なけりゃコマーシャルも見ることはないわけで、おまけにコマーシャル飛ばされちゃぁダブルパンチに回し蹴りくらったみたいなもんです。コマーシャル見られなきゃスポンサーつかない。スポンサーつかなきゃ稼げない。となりゃぁテレビ業界だけでなく大手広告代理店もアセるのも当然といえば当然だ。

でも、小遣いを携帯電話につぎ込んだらカラオケが閑古鳥になっちゃったというのおんなじだ。1日は誰でも24時間で寝る時間も必要だから、ネットするならなんか減らさないと時間の工面ができないもんね。すっ飛ばかしてテレビ見なきゃ時間足りないの当たり前じゃん。それでも足りなきゃ見ないだけ。どこ見てもおんなじお笑いタレントばっかりで、あたった漫画をもとにしたドラマばっかで、ニュースも畠山鈴香ならそればっかり。テレビより絶対ネットの方が面白いってのが先にあるんだから。

でもアメリカはもっと大変なんだって。
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