テレビ信用したらバカ見るのね
2007年1月に、「発掘!あるある大事典2」(フジテレビ/関西テレビ)の「納豆ダイエット」でねつ造疑惑が発覚した。「あるある」は視聴率15%前後、いいときは20%近くも取っていたテレビ局にとってはありがたい番組だったのにだ。「いったいアメリカ人が納豆食べる実験なんてやるのかね」と思って裏を探ったらねつ造にブチ当たった週刊朝日によると、ダイエット効果の発見者として番組に出てきた「テンプル大アーサー・ショーツ教授」てのは実際にはいなくて、ホントの研究はワシントン大学のシュワルツ教授のグループがやってたということだった。日本語訳されたテロップの内容を聞かされたシュワルツ教授は「そんなことはいっていない。やっていない」と否定するうえに、そもそもシュワルツ教授のグループのポリアミンの研究は65歳以上の人の腹部に関するものなんだけど、番組でやせたと出されたのは顔写真。しかも教授は、番組に協力していない、写真も提供していないなど疑惑が相次いで、週刊朝日の記者によると、インターネットの検索と電話確認などの3〜4日の取材で全部ばれるほどの情けないねつ造で、叩くとホコリがでるどころか叩いても叩いてもホコリしかなくて中身がなかった状態だったらしい。
初めは言い逃れでかわそうとした関西テレビだけど、ネズミが眠る「レタス快眠」、米国で大ブーム「味噌汁ダイエット」、「ワサビで10才若返る!」、レモンの「正月太り解消? 食べても太らない新理論」、二重あご解消の「10日間で変わる!顔ヤセの科学」、「小豆あんこで頭が活性化」などで取材が進むにつれて次々と疑惑がウズを巻きだした。
そして最終的に「外部識者による調査委員会」がから10件のねつ造と、6件の灰色番組が報告された。民放で1,2を争う大スポンサーで「あるある」の単独スポンサーだった花王は番組から降りて、その後、関西テレビは日本民間放送連盟から除名処分になっちまったのだ。
でも、テレビ業界の騒動はこれで終わらず、さらにつぎつぎと問題が報道された。
不二家の報道では「みのもんたの朝ズバッ!」(TBS)が、元社員の発言の裏付けを取らず「賞味期限切れのチョコレートを溶かして、ミルク混ぜて再出荷していた」と放送したので、不二家は「チョコレートにミルク混ぜれば商品にならん!こんなすぐバレるウソなんでつく!」とカンカンに怒った。でもTBSは勝手にねつ造したウソがバレても結局放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会から問題だと言われるまで知らんぷりだった。しかも総務省からも厳重注意のだめ押しもついた。続いて「ごめんの一言もいえば我々もこんなに追求しないのに」の迷言で有名な昼の情報番組「ピンポン!」(TBS)が、関東アマチュア選手権で試合中の石川遼選手の声を取ろうとして同じ組の選手のゴルフバッグにマイクを付けようとしたり、同じ試合で「イブニング5」(TBS)が試合中にコース上空にヘリを無断で飛ばしたりで問題でっぱなしだ。
昔も「教えて!ウルトラ実験隊」(テレビ東京)のねつ造事件や、みのもんたの「愛する二人 別れる二人」(フジ)のやらせケンカがバレて番組打ち切りがあったのに、本当にテレビ業界は懲りていない。あげくの果てにTBSは不二家報道で不二家側に全然謝罪しない。これで、人は責めても自分のことは知らんぷりで、「ごめん」の一言も言えないテレビ局の往生際の悪い体質が視聴者に暴露されちまったのだ。
和歌山カレー事件、秋田小1殺害事件、朝青龍問題など、テレビは責めやすい事件を見つけると何週間も連日報道する。その事件にたかる姿は、喰えるだけ食いつくし次の事件が起きればそちらに大挙してどっと飛びつくいなごのように見える。常識は無視してでも「テレビが通るぞ!ひかえい〜ぃ!」と傲慢に押し進めるのは、視聴率アップのためなら世間様には関係なく、とにかく一番の商品のCM枠を売るためなのだ。
でも、それもこれも世間が狭いから話題にこと欠いて、昼ご飯食べながらボーッとテレビ見て「ねえ、ねえ、知ってる?」と話したがる連中がいるからこそ成り立っているのだ。
そういうたぐいの番組は、結論を先に決めていてそれに向かって一方的な決めつけで煽って裁こうする。普通の人間ならこういのは何やってるか分かるから、見ていて全然気持ちの良いものではない。しつこく繰り返される偏執ぶりは「おまえらストーカーじゃないか」と思える。声を出さなくても視聴者は辟易しているのだ。「こんな番組に金を出すスポンサーの品物なんか誰が買うか」と思っているのをテレビ局は知らない。
でも「テレビはいい加減で信用できないなぁ」ということを子どもにまで浸透させているのはある意味健全だ。
テレビはラクーンシティの中にいておまけにアンデッドが増えているのに気づいていない。人間は逃げ出しはじめているというのに。ラクーンシティの外じゃ人間はWiiでユーチューブを見るのだ。
次はこういうテレビがどんなに稼いでいるかだ。期待して待つのだ。
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